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2023/10/19 税金
消費税増税の要因として、特に大きいのが社会保険料
2024年度税制改正において、経団連から「今後さらなる消費税の増税が必要になる」との提言が発表されました。
度重なる増税、物価の上昇、賃金の上げ止まりなどにより国民の負担は増え続けていますが、これ以上の増税はあり得るのでしょうか。本記事では増税が必要になる理由と、今後の可能性について考察します。
消費税が増税される最大の理由は、社会保障を支えるためです。そもそも社会保障とは「社会保険」「社会福祉」「公的扶助」「保健医療・公衆衛生」の4つから成り立っています。
社会保障のための費用が増えれば増えるほど、消費税をはじめとした私たちの負担も大きくなると考えて良いでしょう。この項では、なぜ社会保障が増えて消費税が増税されているのか解説します。
消費税増税の要因として、特に大きいのが社会保険料です。日本では少子高齢化が進んでおり、保険料だけでは年金の支払いが追いつかなくなっています。
実際に図表1のとおり、60歳以上の高齢者の割合は1950年代の4.9%から右肩上がりに増加し続け、2023年には29.1%になりました。
図表1
総務省統計局 統計からみた我が国の高齢者 -「敬老の日」にちなんで- Ⅰ.高齢者の人口
当然ながら、高齢者の増加に比例して社会保障を維持するためのコストも増え続けます。
実は消費税は、もともとは日本になかった制度です。高度経済成長期にかけて、所得税だけでは現役世代に負担が偏ってしまうという意見を受けて、1989年に消費税が導入されました。消費税は導入以降、図表2のとおり増税の一途を辿っています。
図表2
国税庁 税の歴史より筆者作成
増税スパンはバラバラですが、右肩上がりに増え続けています。少子高齢化のペースを考えるとさらなる増税もあり得そうですが、次はいつ頃、増税の話が出てくるのでしょうか。
経団連の提言する「令和6年度税制改正に関する提言」によると、「中長期的な視点からは、消費税の引き上げは有力な選択肢の1つである」と取り上げられています。
なお、税率に関しては2012年に経団連が「成長戦略の実行と財政再建の断行を求める~現下の危機からの脱却を目指して~」と題した提言の中に、消費税率を段階的に引き上げて最終的に19.0%にすると記載されています。
しかし、あくまで10年以上前の試算であり、実際に提言の通りの税制改革が推し進められてきたわけではありません。また、2024年度税制改正では「実施時期と上げ幅については、デフレからの完全な脱却を見据えながら、経済情勢を踏まえて検討する必要がある」という記述も見られます。
したがって、仮に経団連の提言が受け入れられ、消費税増税が施行されるとしても、段階的なものになりそうです。
直近での消費税増税はなさそうですが、少子高齢化の流れを見ると、いずれは税負担が増え続けていく可能性は高いでしょう。増税、各種制度の改正、インフレなど強い向かい風が吹く中、棒立ちのままでは生活は貧しくなるばかりです。
増税が実施される際、いきなり負担が増えるのを防ぐために対応策が取られています。例えば、消費税が8%から10%に上がったタイミングでは「キャッシュレスサービスにおけるポイント還元率アップ」のキャンペーンが実施されました。
しかし、トータルで見れば負担が増え続けている事実は疑いようもありません。政府は、負担に見合うだけの保障、そして増税を乗り越えるための賃金増につながる施策を打ち出していく必要があります。
そして私たち国民は国の制度を理解し、「使えるものは全て使う」という意識で向かい合っていかなければならないのかもしれません。
参考元:【消費税は今後「19.0%」まで上がる!? 今後の予定と繰り返される「増税の背景」を解説 | ファイナンシャルフィールド (financial-field.com)】
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